ノーマライゼーション 障害者の福祉   2004年4月号

    財団法人 日本障害者リハビリテーション協会  800円

心に染み入るソプラノ

 新宿京王プラザホテル内にあるチャペルでのミニコンサート。簡単な自己紹介に続いてその女性は歌い始めた。透き通る、けれど力強いソプラノ。すぐに数人のお客さんがすっと背筋を伸ばす。自分自身の心と体がブルブルと震えるのを感じる。そしてこう思った。日々、時には雑音にも感じられるような音楽の洪水に置かれている現代人にとっては、体内を一気に洗い流されたような、あるいは突然魂を射抜かれたような瞬間だったのではないだろうか。

 後日、その澤田理絵さんを都内三鷹の自宅に訪ねた。玄関を開けるとまず 、盲導犬のエミリーに迎えられる。理絵さんとはもう7年の付き合いだそうで、そのためかかなりリラックスしたパートナーシップを感じ取ることがで きる。お互いの弱点まで見せ合った親友同士のようだ。慣れた手つきでコーヒーを入れていただいた。話し始めると、歌声に違わず、やはり純粋で力強 いハートの持ち主。そして楽しく優しい方。この日は仕事で不在だった、マラソンでアテネのパラリンピックをめざす夫・福原良英さん、2歳の立春香ちゃん、生後1ヶ月の明葉ちゃん、そしてエミリー。光に満ちた生活が想像できる。

 澤田さんの活動は、全国規模で年間数十回のコンサートのほか、カルチャースクールや自宅での音楽指導、小学校などでのエミリーを伴ってのトーク&ミニコンサートは200回を超える等々、実に活発である。もちろん料理やらの家事や、保育園の送り迎えもこなしている。取材してみて、この理絵さんならと納得したが、良英さんの影響を受けてフルマラソンも完走したと聞いたときには驚いた。凄すぎる!そして彼女の素敵なところは、これらのスーパーウーマンぶり以上に、これだけのことをさらりと楽しみ、人に元気や勇気を与えていることだろう。

 紙面の都合でこれだけしか紹介できないのが残念である。機会があったら澤田さん、福原さん、子どもたちとエミリーのホームぺージhttp://homepage2.nifty.com/FUKUHARA/をのぞいてみてほしい。驚き、感動し、そして元気がわいてくるはずだ。

 

 

 
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